【自業苦(2)】
仏教では、自分の『業(行い)』が生み出す苦しみを
『自業苦(じごく)』といいます。
中でも私たちは『意業(心の行い)』に振り回されて、
苦しむことがよくあります。
「上司が素っ気ないな、嫌われているみたい」
「あの一言は何だろう、彼は私のこと、嫌いになったのかな」
と、ささいな相手の表情や言動が気になり、
いったん疑念や不安は思い始めると、
いつしかそう思い込むようになり、
やがて思い咽ぶようになります
人が少しも思ってもいないことを
「思っているに違いない」と思い込んで、
勝手に落ち込んだり、苦しんだり、恨んだりするケースは
少なくありません。
実際は、自分のことで精一杯ですから
他人のことまで、あれこれ考えている余裕はありません。
嫌いになったとしても瞬間的です。
その人も忙しくて、そんなことばかり考えておれません。
客観的に見れば、苦しまなくてもいいのですが、
ああでもない、こうでもないと悶々と苦しむのは、
まさに自分の心が生み出している『自業苦』です。
私を苦しめるのは、「あいつ」でもなければ「こいつ」でもない。
内なる自己の心なのです。
「本当に考えねばならないことを後回しにして、
過ぎてしまえば何でもないことをあれこれ思い悩んでいるのは、
愚かなことですよ。
本当に今あなたが心をかけねばならないことに
全身全霊、集中しなさい」
と仏教では教えられています。
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