親鸞に学ぶ幸福論

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テスラ社の利他主義車と利己主義車

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【穢土(1)】


この7月、テスラ社が時価総額で自動車メーカーのトップだったトヨタを抜きました。

電気自動車、AI(人工知能)搭載の自動運転車で次世代をリードするだろうとテスラ社に期待する投資家は多いようです。

 

さてそのテスラ社が【利他主義車】と【利己主義車】という二つのモデルの自動運転車を生産するとのこと。

【利他主義車】はAIが相手の幸福を優先する車。

【利己主義車】は自己の幸福を優先する車という意味です。

例えば車が二人の子供をはねるという緊急時に、利他主義車のAIは、運転席に乗っている所有者を犠牲にするプログラムが組み込まれています。

一方、利己主義者のAIは、たとえ二人の子供の命を奪う事になっても所有者を救うために全力を挙げるプログラムです。

 

2015年の調査によると、多くの人が「未来の社会は【利他主義車】であるべきだ」と答えています。

ところがより大きな善のためには所有者を犠牲にするようプログラムされた自動車をあなたなら買うかどうか尋ねられると、ほとんどの参加者はノーと答えたのです。

つまり【利他主義車】の車社会であってほしいが、自分で買うなら自己の命を守る【利己主義車】を選ぶ、という調査結果なのです。

 

「利他の社会を渇望し、世の中にはそれを要求しながら、己自身は決して譲ろうとはせず、自己の幸福は優先したい」

これも煩悩の塊である私たちの実態です。

だからお互いぶつかり合い、傷つけ合う世の中になってしまうのでしょう。

 

仏教ではこの世のことを「穢土」といいます。

「煩悩によって穢れた世界」という意味です。

「オレがオレ」がと我執を募らせ、相手を押しのけるのが煩悩、

その煩悩によって、職場で、家庭で、あらゆる場でいがみ合い、嫌な思いをお互いしているのが私たちの世界なので、

「穢土」と言われるのです。

 

 

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