【貪欲(1)】
おそらく平昌オリンピックでの北朝鮮の選手や応援団は、
口や態度には出さなくても、
内心、資本主義経済圏の豊かさに目を丸くしたのではないかと思います。
「南はアメリカの手先で人民は不幸になっている」
との北の教育に疑念が生じた人もあったと思います。
では資本主義経済圏に生きる私たちは幸せかというと、
そうでもない。
飽くなき欲を常にかき立てられる環境にあり、
常に「欲しい」と渇望し、どれだけお金があっても足りません。
『サピエンス全史』のハラリ氏がおもしろいことを言っていました。
「資本主義の戒律は二つだ。
富める者の至高の戒律は『投資せよ』、
それ以外の人々の至高の戒律は『買え』、だ」と。
テレビをつければ「買え」とコマーシャルが呼びかけてきます。
パソコンを開けば画面のあちこちから「買え」「買え」の広告です。
有益な情報ページかなとクリックしても、
読み進めていくと、結局は「買え」です。
それでも昔ならどれだけ「買え」といわれても、
お金がなければ買えませんでしたが、
今はクレジットカードがあるので、現金が手元になくても買えてしまいます。
翌月の請求が厳しくなるからと躊躇していると
「大丈夫です。リポ払いにすれば負担はないですよ」
とささやいてきます。
資本主義経済圏に生きる大多数の人は
何しろ「買え」「買え」と欲をあおられ、振り回され続け、
どれだけお金があっても足りなくなり、
金がほしい、金がほしいとみな悩んでいます。
そして富める者、お金が十分にある者には「投資せよ」です。
そのお金を運用すれば、何ヶ月で何倍のお金になるという「魅力的な」投資情報に
ますます欲をかき立てられ、
いつしか毎日、株や仮想通貨のチャートを見ては一喜一憂する
せわしい日々になってしまっています。
かくして富める者は強欲に走り、さらにお金を儲けることに時間を使い、
一般大衆は自らの渇望と感情に順い、ますます多くのものを買おうとし、
歴史上、現代ほど欲に振り回されている時代はないといっていいでしょう。
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