親鸞に学ぶ幸福論

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穢土、修羅の世界に生きた信長・秀吉・家康

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【穢土(1)】


日本で彼ほど成功したものはないと言われる豊臣秀吉。

しかし天下人として送った晩年の彼は、

はたしてこれが本当に幸せな人なのだろうか、人生の勝利者といえるだろうか、

と首をかしげたくなるようなエピソードに事欠きません。

 

中でも、病に臥し、いよいよ死を覚悟した時、

跡継ぎである秀頼の行く末を案じ、

自分の死後、日本で最も有力な武将となる徳川家康に

我が子の行く末を託す際、すがりつくように家康に頼み込む様は痛々しいほどです

 

秀吉亡き後、家康が豊臣家に牙を剥くであろうことは

多くの武将たちがひそかに予感していたことではありましたが

秀吉とてあれほどの人です、

それらの武将以上にその時代の空気を感じ取っていたかもしれません。

それなのに、その家康より先に死んでいかねばならない無念さ、

そしてその一番危険な男に、大事な我が子を託さなければならないという

暗澹たる気持ちはいかばかりだったかと思います

 

信長、秀吉、家康を三英傑とは言いますが、

彼らのやった所業を知れば、彼らのどこが英傑といえるだろうか、と思います

私はライオンを思い出します。

ライオン社会では、一匹の強い雄ライオンが何匹もの雌ライオンとハーレムを作ります。

そのハーレムの王に、若き雄ライオンが戦いを挑み、

若きライオンが勝てば、かつての王であった雄ライオンは群れから追われ、

新たな王が君臨することとなります。

さて新たにハーレムの王となった雄ライオンが、

まず最初にすることは何だと思われますか。

なんと前のオスライオンとの間にできた子供を次々と殺していくそうです。

ぬいぐるみのように可愛らしい子供のライオンに雄ライオンが容赦なくおそいかかり、

バタバタと殺していくのを、メスライオンはただオロオロと見ているしかありません。

 

こんなのを知ると、なんと残酷なことか、

弱肉強食とは、無慈悲なことか、

やはり畜生の世界は残酷で無慈悲だな、人間はまだましだな、と思いますが

信長や秀吉や家康のやったことを見れば、なんてことはない、同じことをやっています。

 

信長が本能寺の変に倒れた後、

新たな権力者となった秀吉は、元の主君であった信長の子供を死に追いやります。

そしてまた秀吉亡き後、天下を取った家康は、秀吉の遺児である秀頼を殺害します。

ライオンと一緒ではないですか。

 

仏教ではこのような、煩悩むき出しでお互いだまし合い、傷つけ合い、苦しむこの世を「穢土」といいます。

煩悩によって汚れた世界、ということです。

権力が欲しい、財産が欲しい、その己の欲を満たすためなら、

親であれ、兄弟であれ、恩人であれ、

どんな恐ろしいこと、汚いことでも考えます。

特に財産や名声、権力が大きく動く政治の世界、権力者の世界では、

利権も絡み、欲も肥大化し、怒りや嫉妬も激しく渦巻くので、

いっそう無慈悲で残酷なものになります。

まさに「穢土」です。

 

秀吉なんかは「穢土」のまっただ中で、

人一倍煩悩に穢れ、神経をすり減らす日々だったのですから、

この、どこが成功者といえるだろうか、と思えてきます。

 

 

PS.秀吉を仏教の観点で見つめたホワイトボード講座は以下の動画から視聴できます。 秀吉の苦悩

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