【人身受け難し(1)】
「人命は地球よりも重い」
「人間は生まれながらにして、おかしがたい尊厳を有している」
と人命の尊厳が叫ばれるのが今日の世の中です。
それは常識という以前に、人間の一切の営みにおける大前提です。
「人命は尊い」からこそ、医学は懸命に命を延ばすのですし、
政治も法律もその前提の元、国会や討論の場で論じられ、
科学も経済も教育も、人間の営みの一切が
命が重い という共通の理念の元、存在しています。
しかし一方で「人命は尊いが、おまえは別だ」と、
社会からレッテルを貼られる人たちがあります。
死刑囚です。
死刑囚、という存在は、人命の尊さとは何か、を考えさせられる存在です。
「人命は尊い、だから死刑を廃止せよ」と主張する人もあり、
「尊い人命を奪ったからこその厳罰だ」と反論する人もあります。
ブラックジャックというマンガに、このテーマを扱った回がありました。
犯罪に手を染めた少年が、逃亡中に事故を起こし、
ブラックジャックの手術により、一命を取り留める。
しかしその後の裁判の結果、死刑が宣告される。
裁判長の死刑判決に傍聴席のブラックジャックが叫びます。
「死刑にするため助けたんじゃない!どうしてわざわざ二回も殺すんだっ!なぜあのまま死なせてやれなかった!?」
死刑執行直前、言い残すことはないか、と問われた少年は、
裁判のときに叫んでくれた人に、ありがとうと伝えてください、
と言葉を遺す、という内容でした。
仏教は「なぜ生きる」「人命の尊厳」の核心を説く教えですから、
「安楽死」「自殺」などの問題と同様、
「死刑」問題、いわゆる
「死刑は是か非か」
「死刑囚は刑執行までなぜ生きるのか、なぜ生かさねばならないのか」
「死刑囚に命の尊厳はあるのかどうか」
といった問題にも鋭くメスを入れます。
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