親鸞に学ぶ幸福論

「そんなにしてまでなぜ生きねばならないのか」はっきり示した、メールdeで学ぶ仏教教室です。無料メール講座が好評です。受講者4000人。

超高齢化社会の課題を救う宗教は、「老苦」を見つめる仏教だ

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【老苦(2)】


先回に引き続き、釈迦が説かれた四苦の一つ

『老苦』について話しをいたします。

 

縄文時代の平均寿命は約15歳だったそうです。

それは乳幼児の死亡が多かったからですが、

たとえ成人しても50歳まで生きられる人は

ほとんどいなかったようです

ならばあの時代、『老苦』を説く人があっても、

大多数の人はあまり実感わかず、

幸いにも長生きできた一握りの人だけが共感する苦しみ

だったかもしれません。

 

室町時代でも「人生50年」といわれた時代ですから、

やはり『老苦』を切実に受け止める人は

そんなに多くなかったでしょう。

自分のことを考えてみても、私は現在40代ですが、

「もう若くないなあ」としんみりすることはあるものの、

「老いたなあ」とは思わず、深刻な『老苦』は感じていませんから、

室町時代の人も『老苦』を実感する人はそんなになかったでしょう。

 

では翻って現代はどうか。

平均寿命が80歳を越え、老後貧困、介護、独居、認知症など、

四方八方眺めれば、老苦による愁嘆の声が満ちています。

若者は、子供の時から家族や近所で、

まざまざと老苦の実態を見せつけられているせいか、

「長生きしたくない」と言い出す人も増えています。

 

さらに今後、医学や科学の進歩により、

平均寿命90歳、100歳時代がやってくれば、

人生の多くの時間を老苦と向き合わねばならないことになります。

もちろん白髪を簡単に染められるようになり、

入れ歯も使わないで済むようになり、整形でシワも取り、

車いすも便利になり、介護ホーム、バリアフリー、

病院への交通も行き届き、介護法案も考えられています。

 

だがそれら『老苦』に苦しまないための人間の努力も、

『老苦』の克服とはいえません。

どれだけがんばっても、「老いていく」進路を変えることは

何人も絶対にできないのですから。

医学も科学も政治も、老苦の苦しみを

できるだけ先延ばしにする努力です。

 

確実に老いに向かう、万人の暗い生の本質を釈迦は見抜かれ、

人生は苦なり」と喝破されました。

そして、その苦しみの人生がガラリと幸福な人生に変わり、

「何と生きるとは素晴しいことか」と喜べる、

絶対の幸福があることを教えられています。

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では絶対の幸福とは何か、どうすればなれるのか、仏教の教えをわかりやすく体系的にお話する

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ますます日本に重くのしかかる老苦の現実。仏教の解決法とは

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【老苦(1)】


仏教では、いつの時代、どこの国の人でも受ける4つの苦しみを

『四苦』と教えられます。

生苦・老苦・病苦・死苦の四つです。

今日はその中の一つ『老苦』について話をします。

 

釈迦が『老苦』を説かれた時の平均寿命は20歳未満ですから、

『老いの苦しみ』と聞いても、当時の人には

ピンとこない人は少なからずあったと思いますが、

今日の日本は医学、科学が発達し、

歴史上の人類が未だ経験したことのない超高齢化社会を迎え、

家族の介護など身近に『老苦』を実感する機会も増え、

人生の切実な苦しみとして実感できるようになっています。

その傾向はますます深刻化しています。

 

人口減少日本でこれから起きることを

カレンダーにした『未来の年表』という本が

最近売れていますが、その一部をご紹介します。

○2017年 日本人女性の3人に1人がすでに65歳以上。

○2021年 団塊ジュニア世代が50代に突入し、介護離職が大量発生

○2022年 独居世帯は3分の1超。ひとり暮らしをする貧しい高齢者
の急増が大問題に。

○2026年 「認認介護」が急増。介護する側も介護される側も認知
症という現実が待ち構える

これからの日本がどんなに大変な時代を生きることになるか、

改めて現実を突きつけられる内容でした。

 

もちろんかかる現状を手をこまねいているわけではなく、

政治が介護や年金の問題を論じ合うのも、

医学が認知症の薬の開発を急ぐのも、

『老苦』を何とかしようという努力なのですが、

生きる以上は、老いに向かって歩み続けるベクトルの向きを

変えることは絶対にできません。

少しでも進むスピードを遅らせようという努力に過ぎません。

科学も医学も政治も、人間のいかなる営みも、

老いる方向に向かって着実に行進する万人の憂鬱を

なんともできないのです。

 

どれだけ老いていっても、病が重くなっても、

そしてたとえ死が迫っていても、

その苦しみによって邪魔されない幸福があるのでしょうか。

 

シッダルタ太子(釈迦のさとりを開く前のお名前)が、

老いと病と死を超えた真の幸福を求めて城を出られたのは

29歳の時でした。

そして35歳12月8日、仏の悟りを開かれ、

老いと病と死によって妨げられることのない幸福を知られ、

80歳で亡くなられるまで、私たちに教え続けられました。

それが「仏教」です。

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嘘をつくと苦しい。自業苦から地獄へ

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【自業苦(3)】

 


蚕(かいこ)は自らの吐いた糸で作った「まゆ」に閉じ込められ

湯玉に煮られて死んでいきます。

 

人は自らの吐いた言葉に、己が縛られ、苦しみます。

これを仏教では『自業苦』といいます。

【自】らの【業】(口で言ったこと)が原因で、

【苦】しい運命がひきおこるのです。

 

一回吐いたウソにより、その後ずっと「ばれはしないか」と

苦しむことが、私たちにはあります。

そしてそのウソをごまかすために、ウソの上塗りをし、

苦しみを深めていきます。

日常の言動にも自信がなくなり、何か後ろめたく、

素直さやまっすぐさは消え失せ、

裏表のある顔つきになっていきます。

 

そのうち、どこまでウソをついているかも分からなくなり、

つじつまが合わなくなり「発覚」。

「あれ」も「これ」も全部ウソだったのかと

周りを傷つけ、信用をなくし、孤独になり、

いよいよ苦しみに縛られます。

 

自業自得の因果の道理は曲げられません。

自分の吐いた言葉が自分をしばり、

苦しみから抜け出せなくなるのです。

これを『自業苦』といいます。

自分の業(行為)によって苦しむから『自業苦』です。

この『自業苦』から『地獄』へと堕ちていく、と

釈迦は説かれています。

 

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嫌われてる気がするという方へのアドバイス

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【自業苦(2)】


仏教では、自分の『業(行い)』が生み出す苦しみを

『自業苦(じごく)』といいます。

中でも私たちは『意業(心の行い)』に振り回されて、

苦しむことがよくあります。

 

「上司が素っ気ないな、嫌われているみたい」

「あの一言は何だろう、彼は私のこと、嫌いになったのかな」

と、ささいな相手の表情や言動が気になり、

いったん疑念や不安は思い始めると、

いつしかそう思い込むようになり、

やがて思い咽ぶようになります

 

人が少しも思ってもいないことを

「思っているに違いない」と思い込んで、

勝手に落ち込んだり、苦しんだり、恨んだりするケースは

少なくありません。

 

実際は、自分のことで精一杯ですから

他人のことまで、あれこれ考えている余裕はありません。

嫌いになったとしても瞬間的です。

その人も忙しくて、そんなことばかり考えておれません。

 

客観的に見れば、苦しまなくてもいいのですが、

ああでもない、こうでもないと悶々と苦しむのは、

まさに自分の心が生み出している『自業苦』です。

私を苦しめるのは、「あいつ」でもなければ「こいつ」でもない。

内なる自己の心なのです。 

 

「本当に考えねばならないことを後回しにして、

過ぎてしまえば何でもないことをあれこれ思い悩んでいるのは、

愚かなことですよ。

本当に今あなたが心をかけねばならないことに

全身全霊、集中しなさい」

と仏教では教えられています。

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人命が尊いというのなら、その根拠を教えてほしい

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【人身受け難し(1)】

 


もうすぐ終戦記念日です。

8月になると、原爆や戦争に関するニュースや映画が目に入り、

在りし日の戦争を日本全体が思い返します。

あの時期、人命は「一銭五厘の命」と言われました。

赤紙召集令状一銭五厘

「お国のため」と声高に叫ばれ、人命が軽視された時代でした。

 

8月15日玉音放送の朝にも「沖縄への特攻隊出撃命令」が

海軍・陸軍からでて戦闘機が飛び立ち、若い命を散らしたそうです。

終戦後に、自分の息子が8月15日に特攻で戦死した

との報を聞いた遺族は、どんな気持ちだったでしょう。

 

「お国のため」と国民を煽っていた政治家が、

戦争終われば一転、民主主義を高らかに謳い、

「人命は尊い」「人の命は地球より重い」

と言い始めました。

「アホらしい・・・。あの戦争は何だったんだろう・・」

多くの日本人が価値観の訂正を迫られたのです。

 

今日の社会では「人命は尊い」となっています。

「人の命は地球より重い」とも言われます。

しかし「なぜ尊いの?」「なぜ地球より重いといえるの?」

と聞かれて、その理由を明言できる人は、

果たしてどれだけいるでしょうか。

 

自殺する人は「私は尊いとは思えません」と

行動で主張しているようなものです。

「こんな人生ならさっさと終わらせたい」

という人の中で、実際に行動に移すのが自殺する人、

口でそういうことを言う人はその何十倍といましょうし、

口では言わなくても、心で思っている人は

さらに何十倍、何百倍になるでしょうし、

潜在的に思っている人も入れれば、

ほとんどの人が当てはまります。

 

「人命は尊い」根拠を皆知らず、

ただ言葉だけ飛び交っているだけだとしたら、

またいつか「○○のため」を美辞麗句に、

命を軽く扱う時代がやってくるでしょう。

 

 

仏教の説く自業苦(じごく)の意味とは

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【自業苦(1)】


カンボジアではタイの国境付近に、

今もポル・ポト政権時代の地雷が相当数埋まっており、

毎年200人~300人もの人たちが地雷を踏んで亡くなるそうです。

そんな危険地帯を歩けといわれたらどうでしょう。

一歩一歩がビクビクで、生きた心地がしないと思います。

 

人生でも、思いがけないところで、地雷を踏んで、

ひどい目に遭うことがあります。

・渡辺謙の浮気発覚

・稲田元防衛相の失言騒動

・籠池理事長の不正発覚

これらの報道はすべて、自分で埋めた地雷を

自分が踏んで苦しんでいる事例です。

仏教ではこのような苦しみを『自業苦(じごく)』といいます。

自分の業(行い)が原因で自分が苦しみを受けるので、

『自業苦(じごく)』といわれるのです。

 

まだ地雷を踏んで暴発していなくても、

自分がせっせと埋めた地雷地帯を、今歩かなくてはならず、

ビクビクしている人はどれだけいることでしょう。

「浮気がばれるかも。何とか避けられないか」

「不正をあいつが言い触らしたらオレはどうなってしまうのか」

「あの失言、誰か公にしたらクビだろうな」

こういう不安におののいている人は、

人生の地雷地帯を、震えながら歩いている人です。

 

自分が埋めなければ、安心して歩けたのに、

自分で埋めといて、踏む怖さに震えているのですから、

その人もまだ踏んではいなくても、

今の状態が『自業苦』の真っ只中です。

やがて踏んで、さらに本格的な『自業苦』が始まります。

 

地雷を埋めないよう、日々の心がけから己を律していくことが、

結果的に、安らかでおびえのない人生へとつながっています。

 

 

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白くして、白くして、それでも黒が残るかどうかだ

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【我慢(2)】


30代の女性が突然

「夫が別人と入れ替わり、自分を殺すつもりだ」と、

実家の両親や友人に訴えるようになり、

まもなく精神科病棟に入院した、という話を聞きました。

 

このような極端な思い込みはそうそうないですが、

日常生活でも、ろくに検証できていないことを

「間違いない」と思い込んでしまうことが

多かれ、少なかれ、どんな人にでもあると思います。

 

以下は、警視庁詰めの記者が先輩記者から受けるアドバイスです。

「先入観を持って事件に当たるなよ。

黒だなと思ったら白くするんだ。

白くして白くして、それでも黒が残るかどうかだ。

逆に白だなと思ったら、黒くするんだ。

黒くして黒くしてそれでも白が残るかどうかだ」

 

いったん自分の頭の中で、事件のストーリーがひらめくと

刑事ドラマの主人公になったかのような高揚感があり、

手柄心にあおられて、捜査も、聞き込みも、取材も、

そのストーリーに合わせよう、合わせようとしてしまい、

その結果、重大な証拠や証言を見逃してしまうのです。

これは誰でも犯す失敗だから、先輩から後輩へ

こうしたアドバイスが受け継がれるのでしょう。

 

ビジネスも同じことがいえます。

自分の考えついたビジネスモデルに固執してしまい、

そのアイデアを補強するような学説やデータの資料ばかりを集め、

周りを説得しているうちに、

そのビジネスモデルの問題点や欠点がわからなくなり、

欠点を指摘するような学説やデータは

無視、あるいは敵視するようになっていくのです。

 

しかも恐ろしいのは意識的に無視、敵視するのではなく、

無意識に耳をふさいでしまうことです。

だからビジネスも犯罪捜査同様、

「先入観を持ってビジネスに当たるな。

このビジネスはいけるぞと思ったら、問題点、リスクは何か、

よく考え、それでもいけるかどうかだ」

といえましょう。

 

仏教で教えられる煩悩の一つに『我慢』があります。

自分の考えを正しいと押し通してしまう自惚れ心です。

我慢』は、どんなに冷静で知識豊富な人でも、

絶対になくならない心だと教えられています。

生涯、気をつけていかねばならないことといえましょう。

 

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