親鸞に学ぶ幸福論

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立川の少年犯罪にみる哲学的側面

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【人身受け難し(1)】

 

立川市で一人の女性が包丁で刺殺される事件があり、

犯人が19歳の少年であることが世の中に衝撃を与えています。

約70か所刺していることから、

よほどの恨みの末の犯行かと思いきや、

そうではなく「人を殺す動画を見て自分もしたくなった」のが動機だと語っています。

してみたくなった、ってそれで人を殺すか?と驚きますが、

おそらく「人を殺す」という行為が本人の中では実に軽いことなんだと思います。

 

こんな事件が起きるたびに問題になるのが少年法です。

少年法が軽いから未成年が凶悪犯罪を犯すんだ、という主張です。

実際に少年法は今年の5月に法改訂され、

18歳、19歳の凶悪犯罪が厳罰化されました。

中でもこの度の法改訂で注目を集めたのは、実名報道できるようになった、という点で、

この度の立川市の事件でも実名報道をめぐって識者があれこれ論じてます。

 

ではここであなたに考えていただきたいのですが、

もし実名報道されることが事前にわかっていたらこの度の事件の少年は

「それならやめておこう」と思っただろうか、ということです。

 

少年法を重くすることによって

「もしこんな事件を犯したらあなたは懲役何十年だよ、

人生のほとんどを刑務所で過ごすことになるよ、

場合によっては無期懲役、死刑もあるよ、それは嫌でしょ?

だったらやめなさい」

と諭したら、こういった少年犯罪の抑止力となるでしょうか。

自分の人生を大切に思っている人なら、この説得は効き目があるでしょう。

何十年も刑務所で過ごし、人生を棒に振りたくないからです。

 

この手の犯罪は日本ではナイフや包丁ですが、

アメリカでは銃です。

少年が高校のクラスや職員室で銃を乱射するという事件は、

アメリカでは毎月のように起きており、

その結末は犯人がこめかみに銃を当てて自殺する、というものです。

 

つまりこの手の犯罪は自殺を覚悟した少年が、

もうこうなったらどうなってもいい、と自暴自棄になり、

自分の人生を無茶苦茶にした学校の教師をも道連れにしてやれ、

という暴挙に出た形なのです。

 

この立川市の19歳の少年はどうだったでしょうか。

仕事を探していたが見つからず、最近は外出せず、

家に閉じこもってゲームばかりしていたというのですが、

将来に明かりを持てず、自分の人生を大事に思えない心があったのではないでしょうか。

実際逮捕されたとき、「無理心中しようと思った」「死のうと思ったが、死にきれなかった」と言っているようなので、

自分の人生にも絶望感を深めていた中での犯行だったように思います。

そんな生きることにむなしさを深めている子供に

「そんなことしたら人生終わっちゃうよ。最近の少年法はね~」

と諭したところでどれほどの効果が期待できるでしょうか。

 

ここまでくると「なぜ殺人はいけないのか」とは

「なぜ自殺してはいけないのか」と同義のことが問われていることになります。

つまり『人命の尊厳の理由』が問われているのです。

「なぜ人命は尊いのか」

果たしてこの問いに答えはあるのでしょうか。

 

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religion(宗教)の由来と仏教

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【因縁生(2) 】


世界の三大宗教といえば、

仏教とキリスト教とイスラム教です。

インドは人口が多いので今日、ヒンズー教は

仏教信者より多いと言われますが、

人種や民族、文化圏の枠を超え広範な人々に広まった宗教は

仏教、キリスト教、イスラム教のみなので、

三大宗教といえばこの3つをさします。

 

この三つは世界宗教とも言われます。

それに対し、特定の地域や民族にのみ信仰される宗教は

民族宗教と呼ばれ、

ユダヤ教や神道、ヒンズー教などはこれに分類されます。

 

その世界宗教の中でも、

仏教は他の二つ(キリスト教、イスラム教)とは

教義が著しく違います。

 

キリスト教とイスラム教はけっこう似通っています。

共にユダヤ教の旧約聖書から派生した宗教であり、

この世界を造った神が存在していて、

しかもそれは唯一の神だという教義も一緒です。

その唯一神の名を英語では「ゴッド」といい、

アラビア語では「アッラー」といいますが、

言葉が違うだけで、同じ一人の神を指しています。

キリスト教とイスラム教は歴史上幾たびも、

また今日でも世界各国でぶつかっている犬猿の仲ですが、

実は信じている対象は全く同じなのです。

 

それに対し仏教では「一切法は因縁生なり」

万物は因縁によって生じたのであり、

これに一切の例外はないと説きます。

その意味で。宇宙を造った神は存在しないという「無神論」です。

 

創造神を信じるのが教えの中心であるキリスト教イスラム教と

創造神は存在しないと説く仏教とでは根本から異なります。

それは見解の相違どころではありません。

キリスト教イスラム教から見れば、

神を信じない無神論は最も重い罪なのですから。

 

幕末期に英語の「Religion」の訳語が必要となって、

「宗教」と翻訳したのですが、

そもそも原語のほうの英語「Religion」は

ラテン語の「religio」から派生したものです。

「religio」とは「re」「ligio」という二つの言葉からなり、

「re」は「ふたたび」という意味の接頭辞

「ligio」は「結びつける」という意味ですから、

「再び結びつける」という意味です、

 

神の怒りで楽園を追放されたアダムとイブの子孫である人類を、

神と再び結びつける、という意味を持つ言葉なので、

キリスト教、イスラム教の教義に当てはまりますが、

仏教の教義からすると何の関係もない言葉です。

はたして仏教を「宗教(Religion)」の一つと呼んでいいのか、

から見直さなければならないのではという宗教学者もいます。

 

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万物の創造主を仏教はどう見るか

 

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【因縁生(1)】


万物の創造主たる神がいて、

人間一切の動植物、この宇宙全部は、神による被造物である、

と説くのがキリスト教やイスラム教の教義です。

キリスト教とイスラム教とで世界の宗教の過半数を占め、

ことあるごとに宗教戦争を重ねる両者ですが、

実は同じ神(エホバ)を信仰しており、

それは『旧約聖書』というユダヤ民族の神話と歴史の書を根拠とします。

 

その旧約聖書の創世記には6日間で世界を創造したとあります。

はじめに神が天と地とを創造し、

「光あれ」と言って昼と夜とを作ったのが第1日目とあります。

二日目に空と海。

次の日に陸と植物、次に太陽や月や星、そして魚や鳥を作り、

六日目に動物を作った後、神は自分の姿に似せて人間を作った、

そして七日目に休んだのが日曜日の起源となりました。

 

ちょうど私たちが精巧な時計やラジオを作ったように、

神が精巧な人体、宇宙自然を造ったのだ、といいます。

これはキリスト教、イスラム教だけでなく、

ヒンズー教なども創造神の存在が説かれており、

神道にもイザナギ、イザナミの国生みの神話がありますし、

北欧神話など種々の民族宗教も同様です。

 

その中で仏教だけは「一切法は因縁生なり」と

万物は因縁によって生ずることを説きます。

森羅万象は因縁によって生じたものであり、

無から有が生じたことを認めません。

よってこの世は「無始無終」だと説きます。

 

他宗教に対して仏教が特徴的な点は多々ありますが、

創造主を持たない宗教である、という点はその一つです。

その4仏教の教えの特徴の一つを知っていただきたく、

今回 「万物の創造主(神)を仏教はどう語るか」についてお話しました。

どうぞご視聴ください。

https://www.youtube.com/watch?v=91YMxBJfVjo&t=135s

 

 

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悪口にはムキにならない

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【悪口(1)】


ブログやYouTubeで情報発信していれば、

どうしても非難中傷は避けられないと覚悟していますが、

それでもやはりそんなコメント、メッセージを読むと

気分いいものではありませんよね。

 

反論、異なる意見は大いに歓迎ですし、

「グダグダと当たり前のことを」などのご意見も

向上の糧になるのでいいのですが、

中に「笑った顔が気持ち悪い」だの「アほか、お前は」などあると、

いささかムッときます。

つまらん中傷にムキになると、

こちらまでつまらん人間になってしまいますし、

その対応にエネルギーを使うヒマはないので、スルーしますが、

そんなときに思い出すソクラテスのエピソードがあります。

 

ソクラテスの奥さん、クサンティッペは悪妻で知られています。

朝から晩まで亭主の稼ぎのなさをこぼしているクサンティッペを見て

「よくまああの小言に耐えられるね」

と友人が言うと、ソクラテスこう答えたといいます。

「水車の回る音も聞き慣れれば苦にならないものだよ」

 

またある時は、いくら愚痴っても馬耳東風で自分をあまり相手にしないので癇癪持ちの妻が

ソクラテスの頭に桶の水をぶっかけたことがありました。

その時の言葉も振ってます。

「雷の後にはいつも夕立と昔から決まっている」

 

これではケンカにはなりませんね。

悪口や罵倒は受け流すのが最善策ですが、

そこにソクラテスのようなユーモアある返しがあれば、さらにスマートです。

 

アーノルド・シュワルツェネッガーもおもしろいです。

カリフォルニア州知事選の演説中、

反対派閥の者から生卵をぶつけられたとき、

「次はベーコンも頼むよ」と切り返し、会場がドッとわいたそうです。

器の大きさを見せつけ、少なからず得票を伸ばしたのではないかと思います。

真似していきたいものです。

 

 

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チーム力を上げる方法

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【以和為貴】の2回目です。

 

会社内で「制作部」と「営業部」とでは

概して仲が悪いものです。

商品が売れないとお互い相手の落ち度を責めてしまうのだそうです。

営業なら、外で一生懸命売り込んでいるのに売れないのは

「編集が悪いからだ」と言う。

編集なら、相当きちんとしたものを作ったのに売れないのは

「売り込みが下手だからだ」と言うとのこと。

 

商品が売れなければ営業部も編集部も

給料もボーナスも少なくなるのだから、

一致協力してお互いの不備をフォローしあってこそ、

お互いが得をすることはわかっていることなのですが、

なんで対立するのでしょうか。

 

同じ志を有しているならば団結できるでしょう?

と思われるかもしれませんが、

実際はその逆で、志が同じだからこそ

どうしても険悪になり、対立していく傾向に進むのです。

むしろ何の利害もない関係の方が

まだけんかにならないです。

 

ではこうした仲違いの構造はどこからくるのでしょうか。

それは上手くいかないようになってくると

相手のせいに思えてくるからです。

 

制作部からすると

「いいもの造っているのに、あんな営業しているから売れないんだ」

と営業部に批判の目を向ける。

営業部からすると

「なんであんな製品を作るんだ、顧客のニーズをもっと反映してくれといつも言っているのに」

と制作部に不満を持つ。

我が身知らずな我々は、

どうしても人の非ばかりが目に付くのでしょう。

 

子育てでも同じようなことがいえて、

上手くいかなくなると、夫は妻をなじる、

妻は夫のせいに思う。

お互いが「お前のせいだ!」と

目の敵にするようにもなってきます。

 

会社も夫婦も同じ志を持ったチームであり、

もっとも仲良くしなければならない仲なのに、

そうなっていくのは、

仲良くやってゆくことの難しさを感じますね。

 

お互いの違いを認め合い、

相手の長所を尊重し、

こちらのできていないところを支えてくれていることを感謝する、

こういう当たり前のことが大事なのでしょうが、

なかなかできないことです。

そんなこと誰でもいうことで知っているよ、という人が多いでしょうが、

「知っている」と「できている」はまったく違います。

当たり前のことをしっかりできる人になりたいですね。


今回お話ししたテーマでYouTubeでも語っていますので、よかったらどうぞ。

https://www.youtube.com/watch?v=Xzw3biSFo9g&t=12s

 

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聖徳太子十七条憲法に見る仏法精神

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【以和為貴】

聖徳太子の有名な十七条憲法には

『以和為貴』とあります。

和を以て貴し、という人もありますが、

仏教精神に根付いた憲法を建てられた聖徳太子のこと

和するを以て貴し、と言いたいところです。



和、というのは最初から出来上がっているものではない

一人ひとりが涙ぐましい努力で築いていくものです。

だから『和』でなくて『和する』です。



たとえ和ができても

油断すると、すぐに壊れる

だから常に『和する』努力は怠れません。



和を築く時には

言いたいことでも、言ってはならないこともあり、、

したくないことでも、しなければならないことがあります。



“話せば分かる。腹割って話そう。”

といわれますが、

話し合っても分かり合えないことがあります。



世界の情勢を見ても分かるように、

度重なる話し合いは決裂、

第三国の調整もままならず、

わかり合えず、仲良くできない場面は多々あります。



国と国とまで考えなくても、

身の回りの人のことを考えてみてもそうでしょう。



理屈はそうでも感情で、

「あの人とはもう仲良くなれない。」と

いうものが誰の心の中にもあります。



知・情・意が人を動かしますが

中でも感情が人を動かす、と言われます。

“理屈は分かるが、感情はどうしても従えない。”

というものをみな持っています。



その感情をコントロールするのが、

仲良くするということです。

仲良くするというのは、

好きなもの同士の仲良しクラブではない。

利害が一致しているときは誰だって仲良くできます。



一人ひとり意見も違う、

ものの考え方も異なる

好き嫌い多くて利害打算が多い

だからどうしてもケンカが起きる。

そんな中、相手を尊重し、自分の都合を抑えて、

仲良くやっていくことはそんな生やさしいことではありません。

己の欲や怒りとの戦いです。



それは己との闘いですから、誰にでもできることではない

どこにでもあるものではない、

尊いことなのだよ、と言われたものが

『和するを以て貴し』

の言葉と拝しています。

 

 

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聖徳太子十七条憲法に見る仏法精神

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【以和為貴】

聖徳太子の有名な十七条憲法には

『以和為貴』とあります。

和を以て貴し、という人もありますが、

仏教精神に根付いた憲法を建てられた聖徳太子のこと

和するを以て貴し、と言いたいところです。



和、というのは最初から出来上がっているものではない

一人ひとりが涙ぐましい努力で築いていくものです。

だから『和』でなくて『和する』です。



たとえ和ができても

油断すると、すぐに壊れる

だから常に『和する』努力は怠れません。



和を築く時には

言いたいことでも、言ってはならないこともあり、、

したくないことでも、しなければならないことがあります。



“話せば分かる。腹割って話そう。”

といわれますが、

話し合っても分かり合えないことがあります。



世界の情勢を見ても分かるように、

度重なる話し合いは決裂、

第三国の調整もままならず、

わかり合えず、仲良くできない場面は多々あります。



国と国とまで考えなくても、

身の回りの人のことを考えてみてもそうでしょう。



理屈はそうでも感情で、

「あの人とはもう仲良くなれない。」と

いうものが誰の心の中にもあります。



知・情・意が人を動かしますが

中でも感情が人を動かす、と言われます。

“理屈は分かるが、感情はどうしても従えない。”

というものをみな持っています。



その感情をコントロールするのが、

仲良くするということです。

仲良くするというのは、

好きなもの同士の仲良しクラブではない。

利害が一致しているときは誰だって仲良くできます。



一人ひとり意見も違う、

ものの考え方も異なる

好き嫌い多くて利害打算が多い

だからどうしてもケンカが起きる。

そんな中、相手を尊重し、自分の都合を抑えて、

仲良くやっていくことはそんな生やさしいことではありません。

己の欲や怒りとの戦いです。



それは己との闘いですから、誰にでもできることではない

どこにでもあるものではない、

尊いことなのだよ、と言われたものが

『和するを以て貴し』

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