親鸞に学ぶ幸福論

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付くも離るも縁次第

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【縁(1)】


「つくべき縁あれば伴い、離るべき縁あれば離るることのある」

歎異抄第5章の親鸞聖人のお言葉です。

あなたの親、祖父母、兄弟、恋人、夫、妻、子供、孫、友人、上司、部下、これらの人と出会ったのも「つくべき縁」があったから。

ただこれらの人たちの中でもうすでにあなたの人生にはいない、という人もあるかもしれない。

卒業式以来会えていない人や一時付き合ったもののケンカ別れした人、死別して二度と会えない人などなど。

それは「離るべき縁」があって離れたのですよ、と親鸞聖人はここで言われているのです。

 

「付くも離るも縁次第」

別にずっと一緒に過ごしたいと努めているわけでもないのに、なぜかこの人はいつも私の視界の中にいるよな、という人があります。

職場なら、なぜかこの人とは一緒に仕事することが多いよな、という人です。

逆に同じ職場に長年一緒に勤めていても、顔と名前くらいでろくに会話を交わしたこともなく、どんな人かよく分からないという人もあります。

 

縁というのはおかしなもので、好きだから一緒にいれるというのでもなく、嫌いな人だから離れられるというものでもありません。

どんなに好きな人でも離れる縁がくれば離れます。

この人はストレス感じるので離れたいと思う人でも、なぜか離れられない、何かと私の人生に関わってくる、という人もあります。

 

「縁」とは実に儚いもので、かけがえのないものであり、一方で重苦しく、煩わしいものともいえる、なんともいえないものです。

できることならよい縁に恵まれ、一切の縁をもありがたいご縁だったと感謝できる人生を送りたいものです。

自己を取り巻く一切の縁に思いっきり感謝の言葉を捧げたいと、人生が一変する心の境地があることを教えられたのが親鸞聖人でした。

 

 

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人は弱く、なんにでもすがってしまう

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【信心(2)】

 

とある○○大神宮のサイトの宣伝文はこんなのでした。

ーーーーーーーー

誠実にがんばって生きているのに。
 
悪いことなんかやったことは一度もないのに。

それなのになんでこんな目に遭うのか、と思っていませんか。

あの人なんか適当に生きていて、楽ばかりやっているのに。

口でうまいことばかり言って、結局いつも他人任せ。

それなのに幸せな結婚しているのはなんで?

それなのに出世しているってどういうこと?

そんな人が健康でお金もあるって、なぜ?

そんな理不尽だと泣いているあなた、あなたこそ必見です!

○○大神宮の奇跡を体感しませんか。

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……こんな安直な謳い文句で何十万円の祈祷料をまきあげるサイトを目にしたのですが、なんでこんな信憑性のない話に多くの人がなびくのか、と首をかしげてしまいます。

 

しかし一方で、無理もないかなという思いもあります。

病気や災難、家庭不和など深刻な苦しみに見舞われると、どうしても人の心は「なんでわたしはこんな目に」「どうしてあの人は幸福なのか」と運命がわからず、苦しんでしまいます。

そこへきて「そんなあなたに奇跡が起きます」と言われると人は弱いもので、実にたわいもないものにすがってしまうのも仕方ないことのように思います。

 

どうしようかな、信じていいのかな、と躊躇する人には、具体的なご利益体験談のオンパレードで攻め立ててきます。

・結婚はできないとどの占い師に言われてしまったけれど、○○神社にいらして、結婚をして、子宝にも恵まれて、本当に幸せですと笑顔で語ってくれました。

・タンカー爆発事故に巻き込まれ、たった一人だけ助かった方の持っていたのがこのお札なんです

・大震災で大津波に襲われて、自分の家の目の前で水が止まって助けて頂いた人は○○の信者だったんです

などなど。

この際のポイントは「私の悩みと同じだ、わかるわかる」というあるある話で共感させ、そこに奇跡が起きた、と大逆転で「こんなに幸せです」と語ること。

そもそもそういう話に身を乗り出して聞く人は、何か苦しみを抱え、「溺れる者はわらををつかむ」状態なので、そういった体験談に「ああなりたい」と背中を押されてしまうのでしょう。

 

特に病いの苦しみは私たちを迷わせるもとになります。

医者から見放され、手術ももうできない、そこに肉体的な苦痛や死への不安が相まって、冷静な判断ができなくなりますから、最もだまされやすいときです。

ここで祈祷してもらったら難病が治った、この石に触ったら劇的に回復した、そんな怪しげな体験談に騙されて、さらなる悲惨を味わう人は数知れません。

 

これだけ科学が発達しインターネットで情報があふれる時代でも、占いや迷信に多くの人が迷うのは、現代の知識や技術でも運命はちっともわからず、老いと病と死に苦悶する人間のねぶかい不安と怖れもどうにもできないからです。

老いと病と死を超えた真の幸福が教えられている仏教を正しく説く人が希求されています。

 

 

 

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日本人の宗教観を検証する。無宗教か、信心深いのか。

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【信心(1)】


日本人は宗教に無関心な人が多く、一般的に「自分たちは信心深くない」と思っています。

約100か国で実施された世界価値観調査でも「自分は信心深いと思うか」の質問に、日本の結果は「信心深い」が14%、「信心深くない」が56%、「無神論者である」が19%で、77カ国の中で最低でした。

 

ところがです。

日本に住む外国人の多くは「日本人は信心深い」と断言します。

来日当初こそ「無宗教だ」と表明する日本人の言葉を額面通り信じて、無宗教者の多い国なんだなと思うそうですが、長く住んでいると、日本にはかなり宗教的なものが色濃く残っているのがわかるそうです。

たとえば神社での作法に従わなかったり、墓を大事にしないと、まわりから「バチが当たるぞ」と言われるのを見聞きし、これってどんな宗教なんだろう、と思うとのこと。

また家やビルを建築する前に神主を呼んで地鎮祭をするのも外国人が驚く日本の奇異な習慣です。

 

これは外国人が気付くだけでなく、事実、読売新聞の世論調査によれば「バチが当たることがある」と答えたのは実に76%に上ります。

更にこの傾向は21世紀の今日強まってきており、1958年と2013年を比べると、「あの世を信じる」は20%から40%に倍増しています。

 

明治時代の廃仏毀釈で仏教が否定され、終戦でそれまで国教だった日本神道が否定され、科学の進歩で神や仏を否定された日本人は、無宗教を自認し、むしろ自負する風潮さえあります。

しかし実はそれは表面的なところであり、今なお先祖のタタリを恐れ、友引の葬式や仏滅の結婚式を避け、葬儀の後は塩をまき、正月には初詣し、お盆には墓参りします。

その姿は、そうとう信心深い心を秘めているといえそうです。

 

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今頃になって昔のことを思い出す

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【恩(1)】


小学生のころ、漫画家になりたいという私に母が「手塚治虫は医師の免許を持った漫画家だった。何かの資格を持った漫画家になるべきだ」と勧められたのをふと思い出しました。

母としては、私が学校の勉強をしなくなるのを恐れての言葉だったのでしょう。

でも頭ごなしに否定されなかったのも、今にして有難く思います。

 

ドリームキラーという言葉があります。

直訳すれば「夢を殺す人」。

「そんなのあんたにできるはずない」「無理に決まっている、やめなさい」と夢を否定し、壊そうとする人たちです。

ドリームキラーは自分の敵や批判者がなるとは限りません。

自分の親がドリームキラーになることだってあるのです。

もちろん親は子供を苦しめたくてそう言うのではない。

もっと安定した道を進んでほしいとの親なればこその心からのアドバイスでしょうし、その気持ちもよく分かりますが、その親の言動がドリームキラーとなって子供の可能性の芽を潰してしまっているとも言えます。

本来親は子供にとってドリームサポーターであるべきで、子供がピアノを望むならピアノを、スポーツを望むならユニホームやシューズを、少々無理してでも用意して、精一杯子供の夢を応援する存在です。

でもなかなかそうとはならず、親の「こうなってほしい」との思いや都合を押しつけてしまいがちなんでしょう。

 

大学時代、将来仏法の伝える布教使の道を歩みたいと言う私に両親は猛反対しました。

「そんな道に進ませるために大学の学費を払ったのではない」と勘当を迫ってきました。

当然の反対でした。

でも最後はいろいろな思いを飲み込んで、勝手にしろと、子供のやりたいことをさせてくれました。

やがて応援してくれるようにもなりました。

あれもこれも最近思い出されることが多いのですが、親のおかげで今の自分があると知らされます。

 

 

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求不得苦を克服する幸せが仏教にあるか

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【求不得苦(1)】 


お釈迦さまは私たちの普遍的な苦しみの一つに『求不得苦(ぐふとっく)』を挙げられています。

求めても得られない苦しみです。

 

私たちが求めているものはいろいろありますが、たとえばこんなものでしょうか。

・高収入で頼りがいがあり、思いやりのある素敵な人との結婚、

・健康で将来性ある子供に恵まれ、いつまでも仲の良い家族、

・上司、部下にも恵まれ、やりがいのある仕事、

・仕事をリタイヤしても心配いらない十分な貯金、

・健康で若々しい身体、

・人が振り向く美貌やスタイル、

・幅広い人から信頼されている豊かな人脈、気持ちのいい人間関係、

どうしたらこれらのものが得られるか、日夜努力を重ねているのが私たちの日常といえます。

上記に挙げたようなものを持っている人は世の人のあこがれで、あの人のようになれればどんなにかいいだろう、とその人の言動や思考法を一生懸命学んでいます。

 

しかしこれらのものは、ご承知の通り、みな目の色変えて追いかけているものばかりなので、厳しい競争となり、そうそう手に入るものではありません。

 

そこでもっと身近なところで、と

・プチ贅沢の美味しいランチ

・ちょっぴり高値のうまい酒を飲む

・温泉に行ってゆっくりする

・好きなアーティストのコンサートに行く

・ドライブして美しい景色を見る

・パチンコで大当たりを狙う

といったところを求めます。

 

ところがこういったささやかな楽しみさえ、この数カ月コロナ禍で思うように手に入れることはできません。

ほしいものが手に入らない求不得苦の苦しみを世界中の人が味わっています。

 

コロナだけではありません。

香港のように国家権力で、できなくなる時代が日本もくるかもしれません。

病気になれば食事制限され、足腰が立たなくなればどこにも行けません。

経済苦でプチ贅沢などもってのほか、という事態に陥るかもしれません。

世界中にはそういう事態に直面している人も数知れず、求不得苦の嘆きの声は充満しています。


 

求めても求めても、なかなか得られない。

いつまでもこんな思いを重ねるんだったら、なんで自分は生きているんだろう、生きなければならないんだろう、と迷い始める。

そんな時も人生にはあります。

この求不得苦の世にあって本当の幸せがあることを明らかにされたのがブッダでした。

 

 

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カースト制を壊し、人々の心を変えていったブッダの教え

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【御同朋(1)】


お釈迦さま当時のインドは、歴史上でも悪名高き「カースト制」という鉄壁の身分制度がありました。

カースト制は、先住民族のドラヴィダ人を征服したアーリア人が、自分たちと被征服民族のドラヴィダ人を厳格に差別したところから始まった身分制度です。

征服者が被征服者を差別するのは世の常で、西欧列強の植民地時代におけるアフリカ奴隷制やアジア人への差別など、これにあたります。

坂本龍馬の本なんかでも、同じ武士でも土佐には上士と郷士があり、徳川家から派遣された新たな支配者・山内家が上士、土佐をかつて支配していた長曾我部家が郷士となり、明確な差別があったことがわかります。

戦争で勝った民族が負けた民族を虐げるのは醜い人間の性なんでしょうが、それが世界史上でも最も色濃く長きにわたって続いているのがインドのカースト制です。

 

インドに滞在すると、それは今でも根強く続いていることが痛感させられます。

学校のカフェテリアでも同じカースト内でしか食事をとらず、恋愛も恋愛や結婚は違うカーストとはできず、職業もカーストによって限定されます。

たとえば自分より下のカーストの人が触ったものは嫌がる人が多いので、料理人やホテルに勤める人は上のカーストの人です。

 

つまりカースト制はアーリア人征服から今日まで3000年以上にわたり、インドの民を圧迫し続けてきたのです。

こんな身分制度を引きずっていては経済的にも立ち遅れ、国際的にも信頼されず、マイナスであると、現在のインド政府は法律でカースト制を否定していますが、実際は依然としてカースト制の思想が人々の心に根深くあります。

 

かかるインドにあって「万人は平等なり」を宣言し、四姓の鉄壁を壊し、人々の心を大きく変えた方がお釈迦さま・ブッダでした。

なぜ人類は平等なのか。

その理由をどのように釈迦は教えられたのか。

今回の動画ではインドの人々の意識を変革していったブッダの教えを動画でお話ししました。

視聴はコチラから

 

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周庭さんの不安は実はあなたの不安でもある

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【火宅無常の世界(1)】


『三界は安きことなし、なお火宅の如し』

仏典の一節です。

『三界』とは「人生」のこと。

「人生とは、火のついた家に住まいしているように不安である」と仰言ったお釈迦さまのお言葉です。

 

隣の家から火が出てうちの屋根のひさしに燃え移った。

そんな状況下で、食事したり、テレビ見たりできる人があるでしょうか。

不安でとてもそれどころではありません。

私たちの生きるこの世は、いつ何が起きるかわからず、不安が絶えることはありません。

そんな人生を「火宅のごとし」と釈迦は喝破されたのです。

 

最近、香港の民主活動家の周庭さんが国安法違反の容疑で電撃逮捕され、翌日保釈される事件があり、日本で話題になりました。

保釈後の会見で「本当に不安で、怖さがとんでもなかった」と語っていましたが、無理もありません。

周庭さんはまだ23歳の女性です。

そんな若い女の子の家に中国警察が突如押しかけ、そのまま逮捕で連行されたのですから。

なぜ彼女が怖かったか、本人が口にしていたのは、国安法違反の刑罰は最大で無期懲役刑だそうで、最悪このまま無期懲役となるのだろうか、と思ったからだそうです。

無期懲役でもまだ囚人の人権が尊重される国はいいですが、中国って人権を大事にしてくれなさそうでないですか。

下手したら強制収容所に入れられてしまうかもしれない、という状況は、それはもうどんなにこそ怖かったと思います。

 

さいわい一夜で釈放され、よかったのですが、またいつ警察が突如家に押しかけてくるやもしれません。

いや、もう亡命でもした方がいいよ、と言いたくなりますが、当然ながらパスポートは中国警察に没収され、常に監視下におかれています。

ということは彼女はこれから先の人生ずっと、逮捕を恐れ、不安の中、過ごさなければならないと言うことです。

 

もしあなたがそんな状況下におかれたら、どんな気持ちになると思いますか。

どんなに貯金通帳に残高があっても安心できません。

好きな人と家庭を築いても不安は絶えません。

いつまた突然逮捕され、独りぼっち、着の身着のままで連行されるかもしれないのですから。

しかも逮捕後、無期懲役や収容所の可能性だって否定できないのですから。

そんな不安にさらされている周庭さんの境遇をかわいそうに感じます。

 

しかし考えてみれば、私たちもまた一緒だと言えます。

唐の高僧、善導大師は私たちの実態を「常に死王と共に居す」(いつも私たちの近くには死があって、いつそれは我身に襲いかかってくるかもしれない)と説かれています。

常に監視され、突然押しかけてくる中国警察も怖いですが、常に背中合わせにあり、いつ突然襲ってくるかわからぬ死は、実はもっと怖い存在です。

しかも中国警察の場合、逮捕後に収容所の可能性があって怖いのですが、死の場合、死んだ先の世界は収容所よりもっと恐ろしい世界なのかもしれませんよ。

 

実は周庭さん以上に不安にさらされているのがすべての人間の姿なのです。

それはジェフ・ベゾスやビルゲイツといった大富豪でも同じこと。

世界中の誰もが、死を前には何の対策も準備もせず、赤子のように無防備なのです。

 

 

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